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旅 ∩ Run

風景にとけ込む美術館

『ルイジアナ近代美術館』 フムルベック・デンマーク
ヘンリー・ムーア ふたつに分けられた横たわる像 No.5
世界一美しい美術館

オーレスン海峡を望む丘の上にあるルイジアナ美術館は、かつては個人の邸宅で、海に面した場所に建つ美術館。

美術館の名前の「ルイジアナ」は、この美術館の元の邸宅の所有者に3度の結婚歴があり、その妻たちの名前が皆「ルイーズ」だったからとのこと。なんだかロマンチック。

この美術館には世界中から人が訪れる。元の邸宅の小さな玄関が美術館のエントランスとなっており、その小さな入口の奥に、雄大なパノラマと素晴らしい景観が待っている。

美術館の入り口
世界から集まる人々
ミュージアムショップ
林の中の駐車場

カルダー・テラスに臨むLOUISIANA CAFEで海を見ながらゆったりと時間を過ごすのもこの美術館に来る目的の一つ。

ルイジアナは歩くための場所

元の邸宅と庭園の敷地に生えていた樹木を残し、広大な敷地に散在する展示室を回廊でつなぎ、庭園を眺めながらアートを巡る回遊型の美術館となっている。

この美術館の主のように感じるブナ(European beech)

建物は風景に溶け込み、破壊もせず際立ちもせずに風景に身を委ねている。

ルイジアナの中で最も美しいと言われているジャコメッティ・ギャラリー。絵画のような池と柳の柔らかな緑が窓一面に浮かび上り、エクスカーション中の子供たちの背後に「歩く男」が近づいている。

ジャコメッティ・ギャラリー

マグノリアが咲き誇る中庭には、白いパンツもぶら下がっていてビックリ!これもアート??訪れた2019年の4月は、ピピロッティ・リスト展が開催されていたので、このパンツもピピロッティの作品かもしれない。

アリシャ・クワデによる8つの大理石の球体も、惑星がこの庭に降りてきたように存在する。

アリシャ・クワデ Pars Pro Toto

海へと下りていく小道にあるリチャード・セラによるコールテン鋼の門。風景を切り開くその先へ行きたくなる。ここにもパンツ(笑)

リチャード・セラ 峡谷の門(The Gate in the Gorge)

美しく手入れされた芝生の向こうには何があるのだろう?やっぱりその先へ行きたくなる。

その先はオーレスン海峡。

そして、その先はスウェーデン。

写真は2019年4月撮影

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琵琶湖のまわり

蓬莱マルシェ

びわ湖の畔のほっこりマルシェ

7月に琵琶湖沿いをジョギングしていた時に偶然出会ったマルシェイベント。

毎月第一日曜日の9時〜13時に、JR湖西線・蓬莱駅からすぐのHOURAIシェアファームにて開催されているマルシェ。「湖西地域に新しい日常を」コンセプトに2020年7月から始められている。

地元のオーガニック野菜や、野菜スープを売る屋台
リュックを背負ったランナーやサイクリスト、シルバーカーに腰かけるおばあちゃんの姿も見られる

10月に再訪してみると、子供からシニアまで多くの人で賑わい、音楽LIVEも行われていた。7月に比べて、来訪者数もお店の数もパワーアップしているようだ。

マルシェ奥のLIVE会場で、ギターに合わせて「香水」を歌う子供たち
大きな黒板いっぱいに楽しいイラストが描かれたウェルカムボードは、見ているだけでワクワクしてくる

野菜を栽培しているレイズドベッドに腰かけて飲食する人、サイクリングやジョギングの途中で立ち寄る人、シルバーカーを押して集まってくるおばあちゃん、情報交換する出店者、その空間に居る人々(ゲストも出店者も)みんなが、ゆったりとした日曜日の朝を楽しんでいた。

Hourai Marche:https://www.instagram.com/hourai.marche/

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旅 ∩ Run

天と地の間で平和を願う

『若人の広場公園』兵庫県南あわじ市

屋上展望台の眼下には鳴門海峡が広がる

淡路島の福良湾を見下ろす大見山(標高145m)に位置する都市公園。

1967(昭和42)年に、太平洋戦争の戦没学徒らを追悼する施設として建設され、2015(平成27)年に都市公園として再整備された。若人の広場の「戦没学徒記念館(現在は管理棟)」と慰霊塔「永遠の灯」の設計者は丹下健三。

青空に向かってのびやかに佇む慰霊塔は、学生を象徴するペン先を模しているそうだ。

若者よ天と地をつなぐ灯りたれ

記念塔の下部には『若者よ天と地をつなぐ灯りたれ』と記された、「永遠の灯り」が灯っている。阪神淡路大震災により一度は途絶えた灯火は、多くの再整備を望む声により復活した。

若人よ 不純の劫火を消せ
若人よ 不屈の理念を燃や

若人はここに巨歩を発するのだ

360°パノラマに広がる風景を見ていると、戦没した若人がこの広場に集い、どこまでも続く青空、穏やかな海、行き交う船、木々の息吹、茜色の夕日を眺めながら「今日も一日良い日だったなぁ」と言っている気がしてくる。

若くして失われた尊い命に合掌。

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琵琶湖のまわり

メタセコイア並木

メタセコイア並木 滋賀県高島市

県道小荒路牧野沢線の総延長2.4km(約500本)にわたるメタセコイア並木です。『新・日本街路樹100景』にも選ばれています。

通常は多くの観光客で賑わいますが、今年は人もまばらで、のびのびと空にそびえる姿を撮ることができました。並木を外れた田圃の中からの姿も雄大です。

本来の役割は防風林で、周囲にはクリやブドウなどの果樹園が広がります。ピックランドでは、初めて目にする色々な種類のブドウが販売されており、お土産に購入し食べ比べてみました。

「お土産」と云うと、高島市では面白い取り組みが行われています。

関西人にお馴染み「フルタ製菓」の「セコイヤチョコレート」。

2016年にメタセコイア並木を管理する高島市が、「フルタ製菓」と包括連携協定を結び、同並木をパッケージに供した「セコイヤチョコレート」を市内限定で販売しています。商品の売上に応じてフルタ製菓から高島市に寄付が贈られ、メタセコイア並木の保全活動に役立てられています。

地域の「風景」が地元の特産の「お菓子」になり、その「お菓子」が来訪者の土産になり、その売上の一部が「風景」を守っていく。Win×Win×Winの素敵な取組です。

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旅 ∩ Run

「日本で最も美しい村」のちいさな宿

『新庄宿 須貝邸』岡山県真庭郡新庄村
宿場町の面影が残る 須貝邸

岡山県でいちばん小さな村「新庄村」。

「新庄宿 須貝邸」は、かつての出雲街道に立地し、樹齢百年の桜の古木並木に溶けこむように佇んでいる。

宿場と宿場をつなぐ街道に並木が残る箇所は多いが、宿場町の中に並木がある風景はめずらしい。桜は「がいせん桜」と親しまれ、明治39年に日露戦争での戦勝を記念して植えられたとのこと。

須貝邸の夜は温かい灯りでつつまれる
街道の家々では朝夕に角掃きがされる

出雲街道は中海のウナギを京都や大坂に運ぶための「ウナギの道」としての役割も持っていたらしい。鰻を生きたまま遠方まで運ぶために、宿場では清流に浸して精気を与えたということである。

今も、街道の両側には清流が流れ、鯉がのびのびと泳いでいる。

この宿場では、人間のみならず、ウナギも元気を取り戻していたというのはなんとも微笑ましい。

清流が流れる家の前の水路には鯉が泳ぐ
「人生のひと呼吸を、この場所で」

宿は「株式会社まちづくり新庄村」が運営しており、若いスタッフのもてなしは何とも気持ちが好い。

また、村出身の若いシェフによる里山の旬を盛り込んだ料理は、うっとりするほど美味しかった。

山里の滋味あふれる料理
朝食は炭火焼の「ヒメノモチ」を中心に
道の駅で購入したお土産のヒメノモチと黒モジ茶

日本のあちこちをフラフラしていると、時々『農村風景を家形に切り取った』ロゴを目にすることがある。『可愛くて、ほっこりと温かくて素敵なマークだなぁ』と思っていたが、調べてみると「日本で最も美しい村」連合のロゴマークという事がわかった。

新庄村も「日本で最も美しい村」連合の一員であるが、「新庄宿 須貝邸」を一言で云うと、このロゴマークのような場所であった。

◇「日本で最も美しい村」連合の目的
「日本で最も美しい村」連合は、素晴らしい地域資源を持つ美しい町や村や地区が、「日本で最も美しい村」を宣言することで自らの地域に誇りを持ち、将来にわたって美しい地域づくりを行い、地域の活性化と自立を住民自らの手で推進することを支援します。
なかでも、生活の営みにより形成されてきた景観・環境や地域の伝統文化を守り、これらを活用することで観光的付加価値を高め、地域の資源の保護と地域経済の発展に寄与することを目的としています。

「日本で最も美しい村」連合Webサイトより

https://utsukushii-mura.jp/

・新庄宿 須貝邸 https://sugaitei.jp/

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