『新庄宿 須貝邸』岡山県真庭郡新庄村

岡山県でいちばん小さな村「新庄村」。
「新庄宿 須貝邸」は、かつての出雲街道に立地し、樹齢百年の桜の古木並木に溶けこむように佇んでいる。
宿場と宿場をつなぐ街道に並木が残る箇所は多いが、宿場町の中に並木がある風景はめずらしい。桜は「がいせん桜」と親しまれ、明治39年に日露戦争での戦勝を記念して植えられたとのこと。


出雲街道は中海のウナギを京都や大坂に運ぶための「ウナギの道」としての役割も持っていたらしい。鰻を生きたまま遠方まで運ぶために、宿場では清流に浸して精気を与えたということである。
今も、街道の両側には清流が流れ、鯉がのびのびと泳いでいる。
この宿場では、人間のみならず、ウナギも元気を取り戻していたというのはなんとも微笑ましい。

「人生のひと呼吸を、この場所で」
宿は「株式会社まちづくり新庄村」が運営しており、若いスタッフのもてなしは何とも気持ちが好い。
また、村出身の若いシェフによる里山の旬を盛り込んだ料理は、うっとりするほど美味しかった。



日本のあちこちをフラフラしていると、時々『農村風景を家形に切り取った』ロゴを目にすることがある。『可愛くて、ほっこりと温かくて素敵なマークだなぁ』と思っていたが、調べてみると「日本で最も美しい村」連合のロゴマークという事がわかった。
新庄村も「日本で最も美しい村」連合の一員であるが、「新庄宿 須貝邸」を一言で云うと、このロゴマークのような場所であった。

◇「日本で最も美しい村」連合の目的
「日本で最も美しい村」連合は、素晴らしい地域資源を持つ美しい町や村や地区が、「日本で最も美しい村」を宣言することで自らの地域に誇りを持ち、将来にわたって美しい地域づくりを行い、地域の活性化と自立を住民自らの手で推進することを支援します。
なかでも、生活の営みにより形成されてきた景観・環境や地域の伝統文化を守り、これらを活用することで観光的付加価値を高め、地域の資源の保護と地域経済の発展に寄与することを目的としています。
「日本で最も美しい村」連合Webサイトより